2004年08月26日

デュラハン

女性が多いって、知ってました?

【デュラハン(ドュラハン)】
◆出自◆
アイルランド、スコットランド、ノルウェー等
◆性格◆
死の予兆。死者を霊界へ運ぶ。
◆容姿◆
コシュタ・バワーと呼ばれる、首無し馬に引かれた二輪戦車(或いは馬車)に乗る。首が無いか、首を小脇に抱えた姿。多くは女性。
◆解説◆
死の先触れとして町中を首無し馬に乗って駆け回り、死人の出る家の前で停まる。
アーサー王伝説の「ガウェイン卿と緑の騎士」や「腕萎のカラドク」に出てくる首無し騎士はこのデュラハンと混同されることが多いが、厳密に言うとデュラハンではない。その正体が呪われた者や、魔術師だからである。
しかしこの二つの物語の首無し騎士の影響か、デュラハンと言えば男性の騎士とされていることが多いように思う。
実際は、スコットランドの伝承では主にデュラハンは女性だとされている。恐らくケルトの戦いの女神モリガンや、北欧のワルキューレ(バルキリー)などにその原形を求めることが出来るだろう。
デュラハンは「流水を渡れない」とも言われており、万一町中で追い掛けられた時は川に掛かった橋に逃げるとよいらしい。
◆補足◆
同じく死を予告する妖精にバンシーがいるが、バンシーが特定の家(名家)に憑き、その家族の死を予言するのに対し、デュラハンは貴賤を問わず、誰の元にも訪れる。
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2004年07月23日

ルンペルシュティルツヒェン

こうさぎに口走ってもらいたいので、今日はルンペルシュティルツヒェンについて。

【ルンペルシュティルツヒェン】
◆出典◆
『グリム童話』
◆性格◆
そこそこ親切、やや間抜け。ギブアンドテイクが信条。
◆容姿◆
小人
◆解説◆
グリム童話55番(エーレンベルク稿では42番)に出てくる小人。
粉引きの娘が王様から「部屋いっぱいの藁屑を一晩で黄金に変えろ」という無理難題を押し付けられて泣いているところに現れ、1度目は首飾りと引き換えに、2度目は腕輪と引き換えに、3度目は生まれてくる最初の子供と引き換えに、という条件で藁屑を黄金に変える魔法をかけた。
その後娘は王様と結婚し、最初の子供が生まれる。小人は約束通り報酬を求めて現れるが、妃が必死に懇願するのでやむなく「3日後に現れる時までに、おいらの名前を当てられたら子供は置いて行く」という約束をして去る。
1日目も2日目も妃は小人の名前を当てることが出来なかったが、3日目、猟から戻った王様から聞いた話により小人の名前を知る。
「ルンペルシュティルツヒェン!」と、名前を言い当てられた小人は怒り狂って走り去る(二版以降のグリム童話では、小人は自分で自分の体をまっぷたつに引き裂いてしまう)。
◆補足◆
「名前を知ることはその対象を支配することである」
こういった信仰は普遍的に存在する。ヨーロッパでは妖精や悪魔等は特に、名前を知ることで支配できると考えられていた。
童話や昔話にはこの様に、その社会での暗黙の了解が反映されていることが多々有り、面白い。
posted by わーむうっど at 11:34| Comment(3) | 妖精 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月13日

メリュジーヌ

クードレットの『メリュジーヌ伝説』を読んだので、今日はメリュジーヌについて。

【メリュジーヌ】
◆出自・出典◆
フランス民間伝承、ジャン・ダラス『メリュジーヌ物語』、クードレット『メリュジーヌ物語、あるいはリュジニャン一族の物語』
◆性格◆
賢明。幸運をもたらす。
◆容姿◆
優雅で美しい貴婦人。
本当の姿は、下半身が銀色と紺碧色に輝く蛇の尾で、背に翼の生えた美女。
◆解説◆
父はアルバニア王エリナス、母は妖精モルガンの姉妹プレジーヌ。パレスティーヌ、メリオールという二人の姉がいる。
母との約束を破った父王を幽閉したことで、姉妹はそろって母から呪いを受ける。メリュジーヌは土曜日の度に下半身が蛇になってしまう体となった。
妖精女王として泉のほとりに暮らしていたが、メリュジーヌが土曜日に何をしているか決して探らない、という約束を交わしたレイモンドと結婚。10人の異形にして優秀な息子を生む。
夫を助け、リュジニャン一族繁栄の立役者となるが、疑心暗鬼にかられたレイモンドが約束を破ったため、悲しみにくれて城を後にする。
その後、リュジニャン一族は急速に衰退してしまう。
メリュジーヌは「幸運をもたらす存在」であり、去ることによって幸運が失われてしまうのである。
◆補足◆
リュジニャン家は11世紀から13世紀に隆盛した実在の一族で、妖精メリュジーヌを始祖としている(リュジニャンの名はメリュジーヌから来ているという)。
覗き見をすることによって、相手の神性を知り、結果相手に去られてしまうというのは物語の類型の一つである。我が国にも記紀神話の「出産中、八尋鰐に変身する豊玉比売命(トヨタマヒメノミコト)」や、昔話の「鶴女房」など、覗き見(=約束を破ること)をタブーとする物話がある。
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2004年07月09日

パック

シェイクスピアの「真夏の夜の夢」を読んだので、今日はパックについて。

【パック】
◆出自◆
イギリス民間伝承
◆性格◆
陽気、悪戯好き
◆容姿◆
背丈は数インチ。上半身が人間、下半身が山羊で頭に角。
または、人間の姿をした小柄で毛深い生き物。
◆解説◆
「ホブゴブリン」や「ロビン・グッドフェロー」とも呼ばれる悪戯好きの妖精。
農場や民家で、人間の手伝いをする。かと思えば、バターを作るミルクの上澄みをすくったり、ビールの酵母を泡立たなくさせたりの悪戯をする。変身も得意。
また、四十分で地球を一周できる程素早い(つまり時速は約6万キロ!!)。
シェイクスピア『真夏の夜の夢』では、妖精王オベロンの従者として狂言まわしの役を果たす。
◆補足◆
「ホブゴブリン」は、イギリス妖精の中でも人間の手助けをしたり、(それほど)害のない悪戯をする程度の妖精達につけられた総称。人家やその周辺に出没する。
これに対し「ロビン・グッドフェロー」は個体名。妖精王オベロンと人間の女性の間に生まれた半妖精で、最初人間の世界で暮らしていたが、余りにも悪戯なのでオベロンが妖精界へ引き取った。
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2004年07月01日

ケット・シー

今日は可愛い猫の妖精、ケット・シーについて。

【ケット・シー】
◆出自◆
イギリスの民間伝承
◆性格◆
知的な猫
◆容姿◆
胸に白い部分のある黒猫。瞳は緑色。
◆解説◆
スコットランド高地地方を中心に、イングランド・アイルランド・北欧等にも出没する、言語を解する妖精猫。
気配を消すことが得意で、音を立てず、姿も見られずに闇から闇へと移動することができる。普段は普通の猫のふりをして人間に混じって暮らしているが、慌てるとうっかり人間の言葉を話したり、後ろ足で二足歩行したりする。
人間に危害を加えることは少ないが、虐待を受けると牡牛程の大きさになって、虐待を加えた人間を自分達の王国へ攫ってゆくという。
◆補足◆
シャルル・ペローの童話『長靴をはいた猫』のモデル。同じくスコットランドには犬妖精の「クー・シー」もいる。
posted by わーむうっど at 23:22| Comment(3) | 妖精 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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