2004年09月09日

ライジュウ

雷の季節になりました…(パソコンに落ちなきゃいいが…)

【雷獣】
◆出自◆
日本、民間伝承
◆容姿◆
体長60cm程で子犬(或いは狸)に似る。鋭い爪を持つ。足の数は四本とも六本(前足二本、後ろ足四本)とも。滝沢馬琴の『玄同放言』には頭が長く、色は灰色で、尻尾は狐との記述が有る。
◆解説◆
三国峠・河内山・飯豊山などに棲み、雲が低く山に掛かると雲に乗りその中を駆け回る。やがて雷と共に天から駆け降りて来て、木々にその爪痕を残すという。
◆補足◆
落雷が有ると、地面の上を火の塊が転がることが有り、これは天火と呼ばれている。
この現象は世界各地で目撃例が有り、科学的にも分析されている。それによると、落雷によって地表の温度が3000度まで上昇した場合、土中の二酸化ケイ素が炭素と反応し、ケイ素が分離、気体となって空中を浮遊することが有るという。このケイ素はすぐに大気で冷やされ固体に戻ろうとするが、戻ることが出来ず球状の「フィラメント」を形成する。このケイ素のフィラメントが酸素と反応して自然発火するという。
雷獣はこの自然現象を目撃した人々が、説明付けで生み出した妖怪なのだろう。
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2004年09月03日

テッセンコウシュ

燃える山でもう一つ思い出した。

【鉄扇公主】
◆出典◆
中国、『西遊記』
◆性格◆
気性が激しく、猛々しい婦人。が、子に会えぬ悲しみを心に宿した憎めない女性でも有る。
◆解説◆
孫悟空の義兄・牛魔王の妻で、紅孩児の母。羅刹女(インドでは鬼女ラクシャシー)の一人とされる。
翠雲山芭蕉洞の女主人で、芭蕉扇という団扇を持っている。

ある時、西に向かっていた三蔵法師一行の前に、火焔山という難所が立ちはだかった。火焔山は800里四方にわたって炎が燃え盛る場所で、この炎を消すためには芭蕉扇の力が必要だった。
そこで孫悟空は鉄扇公主の元へ芭蕉扇を借りに行くのだが、彼女は息子である紅孩児の仇とばかりに悟空に襲い掛かる。
最終的に彼女は三蔵法師一行に降伏し、その後は仏道に帰依したことになっている。
◆補足◆
火焔山は新彊ウイグル自治区トルファンに実在する。盆地の北端に、長さ約100kmにわたり屏風のように連なる山脈である。炎のような陽炎が立つという。
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2004年08月26日

夜行さん

デュラハンと比べてみよう。

【夜行さん(ヤギョウサン)】
◆出自◆
徳島県、高知県
◆性格◆
祟り神。夜歩きの戒め。
◆容姿◆
首無し馬に乗った鬼。片目で鬚が生えているとも。
◆解説◆
節分・大晦日・庚申などの夜行日(魑魅魍魎が活動するため、夜歩きを戒めた日)に現れる、首無し馬に乗った鬼。
出会うと蹴り殺されてしまう。出会ってしまったら、地に伏して草履を頭に載せると助かるといわれる。
元来「夜行」というのは、祭礼の際、御神体を移すことを指した。神事に関わらないものは、家で物忌みしなければならず、その戒めを破るものへの制裁として夜行さんが生まれたらしい。
首無し馬だけで現れることも多い。
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2004年08月01日

桂男

今宵は満月。この廃園では、満月の夜は月に関する何かを紹介して行く予定です。というわけで、今日は桂男について。

【桂男】
◆出自◆
インド→中国→日本
◆性格◆
月の桂の木を伐る。月を見つめる者の寿命を縮ませる。
◆解説◆
桂男は月の兎同様、インドの説話に登場する。それが中国を経て日本に伝わったと見られている。
中国の伝承によると、月には月宮殿という立派な宮殿が有り、高さ約1、500mもの桂の木が生えているとされる。この桂の木を伐っているのが桂男である。
日本に伝わった伝承では、桂男は月を長時間見つめ続ける者を手を出して招く。招かれたものは寿命を縮ませてしまう。
◆補足◆
月を見ることをタブーとする民族は多い。イヌイットの言い伝えでは、娘が月を見ると妊娠するから見てはいけないとする。アイスランドでも、妊婦が月光を浴びて寝ると子供が精神障害になると言われる。
日本でも、有名な『竹取物語』において、月を見て泣くかぐや姫は「月を見るのは不吉だからやめなさい」とたしなめられており、月を見るタブーが存在したことが伺える。
「(前略)かぐや姫、月のおもしろうゐでたるを見て、つねよりも、物おもひたるさまなり。ある人の、「月のかほ見ることはいむこと」と制しけれども、ともすれば、ひとりまほにも、月を見てはいみじく泣き給ふ。」(『竹取物語』より)
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2004年07月15日

蜃気楼を、一度見てみたい。

【蜃(シン)】
◆出自◆
中国
◆容姿◆
巨大な蛤(『今昔百鬼拾遺』)。
または頭部から背中にかけて鶏冠状の赤い鰭がある大きな蛇(『本草綱目』)。
◆解説◆
中国には雉が海中に潜ると大蛤(蜃)になるという故事があり、同じく雉と蛇の合いの子である蛟(ミズチ)とも関わりを持つとされる。
蜃は気を吐いて楼閣をつくり出す。蜃気楼が自然現象だと分からなかった頃は、これが蜃気楼の正体だと考えられた。よく海上に見られたので、蜃気楼を海市(カイシ)とも呼ぶ。
◆補足◆
自然現象としての蜃気楼は、空気の密度(温度)差で光が屈折するために起きる。
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2004年07月14日

鎌鼬

何となく好きな妖怪だったりする。

【鎌鼬(カマイタチ)】
◆出自◆
北海道〜本州、四国に伝承有り(特に雪国に多い)
◆性格◆
人を切る
◆容姿◆
鋭い鎌状の爪を持つイタチと言われるが、姿は見えない
◆解説◆
つむじ風に乗って現れ、人の体を切ってゆく妖怪。切られた時は痛みを感じず出血も無いが、後から激痛と大出血に襲われ、死に至る場合もある。
傷は概ね、下半身に受けることが多い。
岐阜県飛騨地方では三人組の神とされ、一人目が人を倒し、二人目が切りつけ、三人目が薬を塗ってゆくので出血しないのだという。
愛知県東部では「飯綱(イヅナ)」とも混同されている。飯綱使いの元から逃げた飯綱が鎌鼬になるとされる。
新潟・長野県では暦を踏むと鎌鼬に遭うとされ、古い暦の灰を傷口につけると傷が治るといわれる。
鎌鼬現象は一説に、真空状態の大気に人肌が触れて出来る傷だとも言われるが、証明はされていない。
◆補足◆
鳥山石燕はカマイタチの字に、中国妖怪の「窮奇(キュウキ)」を当てている。こちらは虎の前足に翼がついた姿をしており、善人を喰らい、悪人に褒美を贈るひねくれもの。両者は全く似ていない。
姿が見えないはずなのにイタチに似るとされるのは、『耳袋』に載っている話から。つむじ風に巻かれてくるくる廻っていた二人の子供を助け出すと、兄の背中に足跡が残されていたそうだ。
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2004年07月08日

飯綱

今日は何となく飯綱について。

【飯綱(イヅナ)】
◆出自◆
日本、北海道、東北〜関東地方
◆性格◆
人に憑く、使役獣
◆容姿◆
体長9〜12cm。イタチに似た小動物。四脚は胴体から互い違いに出ている。手の指は5本で美しい爪がある。耳は人に似る。柔らかな体毛と帚の様な尾を持つ。
◆解説◆
飯綱使いと呼ばれる呪術師に使われ、人に憑く使役獣。飯綱に憑かれた者は過食症になったり、あらぬことを口走ったりするようになるが、その者を川に沈めると飯綱が苦しがって離れるという。
管狐(クダギツネ)とも呼ばれることがあるが、『霊獣雑記』に「近世飯綱の法といいて狐を使う者あり。伝へて聞に、至って小なる狐なりと云へり。いわゆるくだもちおさき使いのたぐひならん」とあるので、もともとは別のものだったのだろう。
飯綱の本尊は「飯綱権現(飯綱大明神)」である。伝説では嘉祥三年(850年)、学問行者が飯綱山(信州北部にある修験道屈指の名山、保食神(ウケモチノカミ)の降臨地とも言われる)で修行中、飯綱権現から飯綱の法を授かったのが始まりという。
◆補足◆
本尊の飯綱権現は、稲荷大明神と並び稲作の守護神とされる。上記飯綱山の他、関東の高尾山にある薬王院にも祭られている。
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2004年06月28日

九尾の狐

今回は超有名妖怪「九尾の狐」にスポットを当ててみる。

【九尾の狐】
◆出自◆
『山海経』
◆性格◆
人を騙す、人を喰らう、瑞兆
◆容姿◆
白面金毛九尾の狐。絶世の美女に変化する。
◆解説◆
『山海経』においては青丘国(せいきゅうこく)に住む九本の尾を持つ狐。赤子の泣き声のような声をしており、人を喰らう。逆に、九尾の狐の肉を食べれば蠱毒(一種の呪い)に害されることが無くなるという。
「九尾の白狐を見たものは王になる」という歌もあり、九尾の白狐が尾を振るのを見た禹は予言の通り王になった。瑞兆をもたらすものともされることがあるようだ。
よく『封神演義』の妲己はこの九尾の狐と解釈される。江戸時代の絵師鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』玉藻前の項には「瑯邪代酔に古今事物項を引て云、『商の妲己は狐の精なり』と云々。その精本朝にわたりて玉藻前となり、帝王のおそばをけがせしとなん」とある。本朝で二人が結び付けられ、玉藻の前が九尾の狐であったことから、妲己は遡って九尾の狐とされたようだ。しかし、原典の『封神演義』の妲己には「千年妖狐」「狡猾的狐精」の記述のみで、九尾の記述は無い。
狐がいかにして魔力を得て行くかには『太平広記』に詳しい。「狐五十歳。能変化為婦人。百歳為美女。為神巫。或為丈夫與女人交接。能知千里外事。善蠱魅。使人迷惑失智。千歳即與天通。為天狐。」(狐は五十歳で変化して婦人になれる。百歳で美女、神巫になり、あるいは丈夫となって女人と交接する。よく千里の外の事を知る。よく蠱魅し、人を迷惑失智させる。千歳で天と通じて天狐となる)(『太平広記』巻四四七・説狐)
◆補足◆
日本版九尾の狐「玉藻の前」は鳥羽天皇の治世に現れ、国家転覆を企んだが、陰陽師安倍泰親に正体を見破られ、逃げた先の東国下野の那須ケ原で三浦介義純に射殺された。
その死体は毒ガスを発する「殺生石」となって現在観光名所になっている。
posted by わーむうっど at 22:51| Comment(3) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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