2004年07月30日

モト

昨日の続きで、モトについて。

【モト】
◆出自◆
ウガリット神話
◆性格◆
死と不毛の神
◆解説◆
雨季の後には乾季が来る。モトは乾季を象徴する神である。このため、雨季を司る豊穣神バアルは神話の中で、モトに破れ去る。
その部分の物語を簡単に記す。

ヤムに打ち勝ち、支配者となったバアルは宮殿を建てる。その心に去来する心配事は彼の敵、死と不毛の神モトのことだった。バアルはモトの住処である地下の死の国に使者を遣わし、その統治する土地から離れぬ様命じる。これに激怒したモトは逆にバアルを自分の国へと招待する。バアルはしぶしぶながら死の国に赴くが、そこで死の国の食物を口にしてしまい、死の虜となる。
バアルが失われると地上には干ばつが起こり、草木は成長せず、大地は衰え始めた。
大神エルは、バアルは死んだと叫び、喪服に身を包む。しかし、兄の死を諦めきれない戦の女神アナトは、太陽の女神の力を借り、死の国からバアルのなきがらを奪還。その後、モトに戦いを挑み、彼を剣で引き裂き、肉を火にくべ、臼でひき、大地にまき散らした。
バアルはその後、死より復活する。
しかしモトもまた七年後に再び復活し、バアルに戦いを挑むことになる。

◆補足◆
この物語において興味深いもう一つの点は「死者の国の食べ物を口にしたものは死の虜となる」という考えだろう。
ギリシャ神話のペルセフォネや記紀神話の伊邪那美神にも共通する認識である。
また、処女神アナトはインドのカーリーの様に恐ろしい戦女神なのだが、太陽の力を借りて豊穣を取り戻すところなど、女神の生命力を感じさせる役割をも果たしている。魅力的な女神であると思う。
posted by わーむうっど at 23:41| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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